Hele maika'i

趣味とか技術とかざっくばらんに書いてます。タイトルはハワイの言葉で「幸せな一歩」

石原夏織さんアーティストデビュー5周年応援広告企画 ~デザイン解説~

今回は「石原夏織アーティストデビュー5周年応援企画」の応援広告で、 自分が作成させていただいたポスターデザインについて解説させていただこうと思います。

なお、このブログはこちらのnoteで投稿したものと同じものになります。

はじめに

そもそもなぜ今回このブログを書こうと思ったかですが、 自分が応援広告のデザインをすることになったときに、何を考えてどう手を付ければいいのか何も分からない状態からのスタートだったため、 少しでも多くの方に今後応援広告を企画する上での参考になればと思ったためです。

また、今回ありがたいことに協賛いただいた多くの石原夏織さんファンの方々にも 少しでもデザインについて知ってもらうことで、僕自身がこの応援広告に込めた想いなどを知ってもらいたいと思いました。

デザイン解説

まずは今回実際に自分が作成させていただいたポスターがこちらの2つになります。

東京駅掲出ポスター

渋谷駅掲出ポスター

写真は撮影時のものなので、光の加減などで見づらくなってしまっていますが、ご了承ください。

どちらも若干の違いはありつつも、ベースのデザインは統一しているため、まずはベースのデザインについて解説させていただきます。

デザインの軸

今回自分の中で大きく3つの軸を決めてデザインさせていただきました。それが以下の3つです。

  1. 5周年のお祝いの応援広告であること
  2. 僕自身が表現したい石原夏織さんの魅力
  3. 媒体として駅の広告に掲出されること

上記3つの軸を元にデザインを決めていきました。一つずつ解説させていただきます。

5周年のお祝いの応援広告であること

まず、大前提として今回応援広告を掲出する上で何を目的にこの応援広告を出すのかが一番大事なことだと思います。目的なくデザインしてもコンセプトが決まらずブレブレのデザインになってしまいます。

僕は石原夏織さんのアーティスト活動5周年をお祝いしたいという想いから応援広告を企画させていただいたため、当然今回の目的は石原夏織さんのアーティスト活動5周年のお祝いとなります。

つまり、今回の応援広告のデザインで一番強調するべきことはこの「アーティスト活動5周年」という部分になります。石原夏織さんをもっと多くの方に知ってほしいという気持ち自体はもちろんありますが、あくまでも5周年だからこそ掲出する応援広告なので石原夏織さんの名前を覚えて帰ってもらうよりも5周年という部分に目が行くようにデザインさせていただきました(石原夏織さんを知ってもらいたいだけなら5周年というこのタイミングである必要はないと思いました)。

表現したい石原夏織さんの魅力

次に僕自身が表現したいと思った石原夏織さんの魅力についてです。

今回自分でデザインするということで、プロのデザイナーや応援広告事務局へのデザイン代行をしない以上、いちファンである自分がデザインすることに何か意図を持たせたいと考えました。石原夏織さんじゃない誰かの応援広告でも成り立つようなデザインではなく、石原夏織さんの応援広告であるということを大事にしたいと思ったため、石原夏織さんの魅力の中でも自分が表現したいと思った部分を強調してデザインするように心がけました。


そこで自分が一番表現したいと思ったのが「透明感」や「大人っぽさ」になります。

石原夏織さんのイメージカラーである青(自分の中では水色に近い印象)をベースにすることで爽やかな印象を与え、文字はシャープなフォントを選ぶことで繊細さを表現しました。

単調な水色ではつまらない印象を与える可能性があったため、グラデーションをかけて厚みを増しています。 また、全体的に寒色系に細い文字なので少し冷たい印象にも感じる可能性があったため、全体の文字構成を中央揃えにすることで柔らかい印象にしました。

そして、5周年の文字列についてはお祝いの印象のある暖色系の色の中からベースの水色とマッチする淡めの黄色を選びました。 黄色という色は少し明るすぎてキツい印象も与えてしまうと思ったのですが、全体的に淡めの色にしているため、水色の持つクールな印象を和らげつつ優しい印象に仕上げることを意識しています。

媒体として駅の広告に掲出されること

そして、駅広告に掲出するという点です。

これはどういうことかと言うと、駅を行き交う人々は広告を意識して見ることはないということです。 自分の経験に置き換えると分かると思いますが、駅を歩いているときに広告が印象に残ったことはほとんどないのではないでしょうか? そんな駅の広告に対して複雑に情報を入れ込んでも印象に残らないと考えたため、なるべくシンプルに伝えたいことを一つだけ伝えられるようなデザインを意識しました。

今回で言えば、最初にも挙げた5周年という一番大事な情報を瞬時にインプットできるように意識しています。

最初は英語にしてデザインとしてオシャレに仕上げることも考えたのですが、英語は一瞬見ただけでは情報を咀嚼することができないと思ったので、日本語でデザインすることでとにかくひと目見ただけで分かりやすいようなデザインにしています。


この3つが大きなデザインの軸になっています。 次に細かい部分でこだわったデザインを解説させていただきます。

細かいデザインのこだわり

まずは真ん中の斜めのラインです。ここは元々縦にまっすぐ下ろしたデザインになっていたのですが、2つの懸念があったため、あえて斜めに下ろすようにしました。

1つ目の懸念が、応援広告の掲出方法です。今回掲出場所には自分のデザインしたポスター以外にも様々なポスターが掲出される可能性がありました。その中でも大きさの違うB1のポスターが一緒に掲出されていた場合に、縦にまっすぐ下ろしたデザインではB1のポスター2枚に分離して見えてしまう可能性があったため、B0のポスターであることを少しでも伝えるために斜めに下ろしました。

2つ目の懸念が、使用した写真に圧迫感を感じると思ったことです。顔と体のバランスを考えたときに、体の方が横に広がっているため、単純にまっすぐ線を下ろすと、顔に対して体側にゆとりがなくなり窮屈に感じてしまいます。そこで、体側の広がりに合わせて斜めに線を下ろすことでゆとりを持たせています。


他にも細かいポイントとして2つのポスターでベースのデザインを統一したことにも意図があります。

今回は複数の企画が乱立しており、同じ駅に別の応援広告が掲出される可能性もありました。結果的にはそうはならなかったですが、もしも同じ駅に掲出されていた場合には協賛してくださった方々にはどの応援広告が自分の協賛した企画のものか分からないと感じてしまう可能性があります。

そこで、ベースのデザインを統一することで共通の企画の応援広告であることを強調し、分かりやすくしました。


(※4/9追記)

また、もう一つのポイントとして、文字などはできるだけ写真の正面に入れるようにしました。

写真の石原夏織さんに対して背中側に入れてしまうと、なんとなく斜に構えて見えてしまい、印象を悪くしてしまうかもしれないと思ったためです。

デザインの違いについて

最後にデザインの違いについてです。

基本的にはベースのデザインを合わせていますが、東京駅に掲出した応援広告は名前が写真の右下に、渋谷駅に掲出した応援広告は名前が大きく上に記載されています。

最初にも書いたように今回は石原夏織さんの名前を覚えて帰ってもらうということは意識していないため、基本的には名前を目立たせることはせず、東京駅掲出の応援広告デザインのようなものを意識しました。

しかし、同じようなデザインにしたときに、Water Drop石原夏織さんの写真では、肌の明るめな色と衣装の暗めな色に合わせられる色が無く、非常に見づらくなってしまいました。 目立たせること自体は意識していませんが、見づらいものは広告として問題になるため、根本的に名前の配置を変えることを考えました。


どこに配置するかを考えるときに、そもそも多くのファンの方はやっぱり名前を強調したデザインの方が好きなのではないか?と思い、せっかくならできるだけ多くのファンの方に喜んでもらえるようなデザインにしたいと思ったため、名前を大きく入れたデザインを作ってみました。

あくまでも5周年がメインではあるため、色味の違いや文字の太さによって「5周年 > 名前」のインパクトになるように調整してデザインさせていただきました。

告知画像のデザイン

余談ではありますが、告知画像についても少しこだわった部分があるので紹介させていただきます。告知画像は下のようなものを作らせていただきました。

応援広告告知画像

告知画像に応援広告のデザインを使用することは許可されていたのですが、自分としては告知画像でネタバレをしてしまうのはもったいないと思い、応援広告デザインを使うことはしませんでした。ぼかして使うという手もありましたが、ぼかしたイラストを使って綺麗にまとめる自信はありませんでした。

ではどこにこだわったかと言うと、告知画像から応援広告自体のデザインは分からないが、どの応援広告がこの企画のデザインなのかは伝わるようなものにさせていただきました。

全体の色味を応援広告のデザインと合わせることで、応援広告を見に行ったときにこの企画のものだと直感できるように意識しました。

また、応援広告と全く同じ色にしてしまうとPCやスマホの画面で見たときには目がチカチカしてしまうと思ったため、全体的にさらに淡めの優しい色味に抑えています。

最後に

以上が今回自分がデザインする上で意識したことになります。 もしかしたら全然見当違いのことをしているかもしれませんが、そこはあくまでも自分がこう考えてデザインしたという話で理解してもらえればと思います。

シンプルなデザインにはなっていますが、その中にたくさんの想いを込めさせていただきました。少しでもそれが感じてもらえたら嬉しい限りです。

今後応援広告を企画される方もぜひ、自分の中で軸を決めて、一番に伝えたいことを大事にデザインしてみてもらえればと思います。